難波裕美のひとり言

難波裕美

頌栄企画 マネージャー

難波 裕美

  • ・日本長老教会 杉並教会員
  • ・厚生労働省認定葬祭ディレクター
難波裕美のひとり言
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難波裕美のひとり言

犬の桃ちゃん

ご家族がお亡くなりになられたとのことで、
私共にお電話がありました。
ご自宅へ向かい、お打ち合わせをさせて頂くことになりました。
玄関でまず私達を迎えてくれたのは、犬の桃ちゃんでした。
今思うと不思議なのですが、桃ちゃんは私共に対し、一度も吠えることがありませんでした。
葬儀が終わるまで、色々な方の出入があり、桃ちゃんはその都度知らない人だからと吠えていたのです。
多分、動物なりに何かを(普段と違う何かを)感じ取っていたのだと思います。

ご自宅で葬儀を行ったのですが、桃ちゃんは式中ずっとお棺のそばで、別れを惜しんでいるかの様にお棺を見つめていました。吠えることなく一緒にお式に参列していたのです。

火葬場に行く際、ご自宅にはどなたも残られないとのことで、私共スタッフがご自宅をお預かりさせて頂くことになりました。
(桃ちゃんも一緒にお留守番です)

部屋の片付け等の際、桃ちゃんが外に出て行ってしまったら大変と思い、ドアは開け放しにしない様話をしていると、ご遺族が「桃はドアが開いていても、絶対に外には行かないから、開け放しのままで大丈夫ですよ」そうおっしゃいました。
ところが、霊柩車がご自宅を出発した途端、桃ちゃんは家を飛び出し、霊柩車の後を追い掛けて行ってしまったのです。
そして、ずっと先の十字路のところで止まり、霊柩車が見えなくなるまで、その場にじっと座っていました。そして暫くして戻ってきました。
このことをご遺族にお話しましたら、大変驚かれたと同時に涙を流されていました。
動物も家族の一員であり、悲しみも同じなのだなと思いました。
とても心温まる光景でした。

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